改めて著者の先見性に脱帽だ。この本は1950年代に書かれているが、その古さを感じさせない記述にはSFの真骨頂があるような気がする。
すでに昨今話題のディープラーニング的な話まで出てくる。自然科学を数学的に処理する的なアプローチに「人間性とは何か?」みたいな命題が乗っかり厚みを加えている。
SFの面白さってやっぱり今の科学技術をずっと延長していった先の想像の極みからしか見えてこない現代の人間というものが明確にされることだと思う。
だからサイエンスフィクションだけど、その裏にはヒューマンノンフィクションが隠れてる。ハチャメチャなSFよりもこうした落ち着いた作品のほうがそれを感じるなぁ。
Life is the dancer and I am the dance.