ボンヤリズム

Life is the dancer and I am the dance.

【読書】野いばら 梶村啓二

 

野いばら

野いばら

 

 

タイトルだけを見ると、女性がたくさん出てきて清廉な物語が語られる印象がある。ところが、実際はどちらかというファンタジーっぽくって一種SF的なところもある小説である。

 

現代と江戸、日本と英国。この二つの時間と空間軸の中に園芸という串を通した物語というのが僕が読み取った構成だ。野いばらがその空間を結び、登場する女性のメタファーであることも明快。

 

僕が読み取れるくらいだから単純なのだが、それだけに技巧的な構成の小説だなという印象が強く残った。

 

主人公は英国人なのだが、もう少し英国人としての文化的葛藤が描かれていれば深みのある物語になったのになと思う。というのも、どこか親日的で日本と英国という空間軸がぼやけてしまっているように感じられた。まあ、歴史的な対立構造でその軸を補っていたのかもしれない。

 

時間軸に関してはさらに曖昧で、現代の部分が薄すぎてただの語り部になっているところが非常にもったいないと感じた。空港での出来事が何を意味するのか読み取れなかったが、あの辺もう少し何かあってもよかったのかな。

 

読んでいない人には何にも分からない感想だね。(笑)

 

とりあえず読めばいい。あーだこーだと感想を述べているが、僕には到底かけない面白い小説だ。

 

ところどころに出てくるすがすがしさや、潔さはさわやかなもので読んでいて気分は良かったな。

 

Life is the dancer and I am the dance.

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