ボンヤリズム

Life is the dancer and I am the dance.

【読書】モモ

 

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 

 

子供の頃に読んだことのある人も多いであろう、児童文学の有名どころの一冊である。

 

僕は子供の頃、読書なんてシャーロックホームズか明智小五郎しか読んでなかったので、初「モモ」である。凄く昔からある児童文学だと思っていたら、僕の予想に反して、この本が出版されたは1973年と比較的最近なんだね。

 

まさに日本の高度成長期真っ只中で書かれ翻訳された児童文学というわけだが、面白いのは著者がドイツ人であること。たぶんその頃のドイツ(西ドイツ)も日本と同じように、戦後の復興からの経済的成長期にあったと思われる。で、その頃にイタリアに移住してこの本を書いている点だ。

 

ご存知のように高度成長期は「生産性」をどんどん向上させるために、皆が必死に働いた時代だった。豊かな日本に。たぶん西ドイツも同様だっただろう。シャカリキに働けば、給与は上がり生活水準も上がり、豊かな生活がまっているぞ!そんな一つの夢に皆が労働力を託したわけだ。

 

そうした時代背景の中で、著者は違和感を感じたんだろう。イタリアと言えば何となくそうした雰囲気の無い気楽な感じの国に移住し、そこまでシャカリキに働く社会に一つの風刺としこの児童文学を書いたに違いない。

 

灰色の男たちが人間の時間を奪う、それに立ち向かうモモ。

 

灰色の男たちって何の象徴なんだろうなあと考えていたが、資本主義の象徴なのか。どちらにしても、僕らを何か焦らせるような社会的なプレッシャーだよね。

 

逆に今はある一つの目的のために皆が精いっぱい働く時代ではなくなって、働き方改革にあるように、高度成長期とは違うフェーズに入ってきてる。ただ、働く時間が減ってたとしても、そこには何かしらの下心があって、プレミアムフライデーのように早く仕事を終えてお金を使おうみたいな変な流れができ始めている。

 

モモが取り返した、自分たちの時間とは何なんだろうね。

 

児童文学でありながら、こうした社会批判をちりばめた小説がかけるなんてすごいよ。一度は読んでみる価値のある本だと思う。

 

Life is the dancer and I am the dance.