ボンヤリズム

Life is the dancer and I am the dance.

【読書】7つの習慣(10) "maturity continuum"にいちゃもんをつけてみる

 

7つの習慣-成功には原則があった!

7つの習慣-成功には原則があった!

  • 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 1996/12/25
  • メディア: 単行本
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序章の中で、著者は効果的な人間になる過程として、"maturity continuum"というものをパラダイムやprincipleとして提示している。"maturity"というのは成熟度と訳し、"continuum"というのは連続性という風に訳してみる。

 

要は、効果的な人間になるためには、この成熟の連続性が大事だというわけだ。それが何かというと次の3段階である。

 

  1. dependent・・・誰かに頼る状態
  2. independent・・・誰にも頼らない自立した状態
  3. interdependent・・・自立した人間同士がお互いに頼る状態

 

1から3に向かって人は成熟度を増していき、効果的な人になるためには3の状態が必要ですよと説いているわけだ。

 

ふむふむ、なるほど。

 

と僕は思わなかった。

 

著者は"dependent"の説明に、生まれたばかりの赤ちゃんを例に挙げている。生まれたばかりの赤ちゃんは"totally dependent"と言っているのだが、そこからしていちゃもんつけたい。確かに赤ちゃんは"totally dependent"な存在だ。自立はしていない。だが、じゃあその赤ちゃんが死んだら、その両親はどう感じるか?

 

赤ちゃんを持つ親の多くが、その子供に愛を注ぐように、赤ちゃんの存在はすでに他者の存在に影響を与えている。その影響を考えると、赤ちゃん個人は"totally dependent"だが、存在としては全然"dependent"じゃない。

 

そう考えると生まれる前の胎児の時から、実はもうすでに赤ちゃんは"interdependent"的な存在なわけだ。"interdependent"になるための条件として、"independent"でないといけない。という著者の「考え方」は受け入れるとして、じゃあこれがパラダイムやprinciple(=自然の法則)かというと、僕は全く違うと思う。

 

この話だけで"maturity continuum"は"continuum"としては破綻する。

 

話としては格好いいよね。ワクワクするよね。頼る人から、自立した人間になり、自立した人間同士が助け合うことで、効果的な人間になるパラダイム。それこそが本当に効果的な人になる秘訣だ的なこと言われると。

 

でも、そんな単純な世界観で"maturity"が説明できるわけがない。

 

この概念はかなり欧米の個人主義的発想がベースになっている気がする。まあ、とても効果的な人になる=効果的でない人がいる という二元論がベースの本であることを考えると、予想の範囲内だけど。

 

笑っちゃうのが、いや笑ったら怒られちゃうのかもしれないけど、著者自身が「自然は"interdependent"だ。」と本の中で明言してるところ。僕個人は人間の赤ちゃんも自然の一部なんちゃいますか?と思うけと、どう思います?

 

動物と人間を別物的に扱う記述もあって、あーこりゃ著者と僕のパラダイムが根本的に違うなと感じた。僕というか、日本人としてかな。著者はキリスト教またはユダヤ教的にかな。

 

自然が"interdependet"なら、人間はそもそもすでに"interdependet"でしょ?なので、"maturity continuum"がパラダイムであるとか、principleであるという話には一切同意できない。

 

確かに何でも他人に頼る人とか、何でも自分でできちゃう人とか、他者の尊厳を保ちつつ自分のやり方と他者の工夫をうまく取り入れて上手にやる人はいるよ。でも、それはパラダイムでもないし、principleでもない。元々、僕らは"interdependent"な存在なんだから。

 

"maturity"としての話ならまだわかる。個人の成熟度としての話なら。でも、そこに連続性はないと思う。

 

"inside out"の話と同じだけど、この話をパラダイムとかprincipleの話にするのは、間違ってる。自分は元来すでに"interdependent"な存在で、"dependent"な部分と"independent"な部分を併せ持つ存在なんだと「気付く」ことが、本当に効果的な人になるための本筋だと思うね。

 

そういう意味で"maturity"は"continuum"ではなく、"awareness"とか"realization"が適切だと僕は思う。「気づき」ね。

 

"continuum"みたいな線じゃなくて、突然現れる気づき。

 

この本を批判的に読むことは本当に気づきが多くて楽しい。でもね、この序章の部分を自分なりの考えに落としこまないと、これから始まる一つ一つの習慣なんて、全く意味がない、単なる真似っこになるだけ。序章だけでも数十回は読んでもいいくらいだ。それも批判的にね。

 

 僕はこのオーディオブックを聴いて解釈しています。日本語訳版は大昔に一度読んだ切りで覚えてません。ブログ内で出てくる訳語は全て僕の個人的解釈です。

 

Life is the dancer and I am the dance.